矯正治療後は、歯を支える組織が不安定な状態です。そのため、矯正治療前の歯並びに戻ってしまう「後戻り」が起こりやすい期間でもあります。後戻りしないよう、歯並びが安定するまで維持や管理することを「保定」といいます。ここでは、後戻りの原因や保定方法などを説明していきます
保定期間について
「歯並びが綺麗に整ったら、矯正治療は終わり!」と思っていませんか?歯を動かす治療が終わっても、動かした歯を維持する期間(保定期間)がとても重要です。保定期間に定期的に来院していただくことで、維持や管理を行います。
保定期間は?来院頻度は?
矯正治療後、2年間の保定期間を過ごしていただきます。保定期間は、基本的に半年に1度来院していただき、保定装置の確認や歯並び・咬み合わせのチェックを行い、管理していきます。保定期間後の来院頻度や装置の装着については、患者様によって異なりますが、歯並びが安定している場合には来院頻度と装着時間を減らしていきます。
後戻りの原因と保定方法について
後戻りの原因は?
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・保定装置を装着しなかった
歯並びが安定するまで、矯正後の歯並びを維持するための装置(保定装置)を全く装着しなかったり、装着時間が守れないことがあると後戻りする可能性が高くなります。
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・悪習癖・舌癖がある
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・親知らずによる影響
親知らずが歯茎の中に埋まっている場合、前に倒れて生えていることが多くあります。そのような場合、親知らずが手前の歯並びを押してしまい歯並びを崩してしまう原因となります。歯並びに影響を与えることが考えられる場合には、親知らずを抜歯していただきます。
保定方法は?
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01/ 保定装置による保定
歯並びを維持するために、保定装置を装着します。ケースによって、使用する保定装置や使用期間などが異なりますが、装着時間を守っていただくことが重要です。
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02/ お口の周囲筋による自然保定
お口まわりの筋肉が正しく機能することで、歯を安定させることができます。そのため、歯並びに影響がでるような悪習癖を改善していくことが大切です。
保定装置の種類について
歯科では、保定装置のことを「リテーナー」といいます。患者様の矯正前の歯並びや、治療終了時の歯並びの状態を考慮して、使用する保定装置を選択します。
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クリアライナー
透明のマウスピースタイプの保定装置です。金属を使用していないため、金属アレルギーの方も使用できて、審美性に優れています。
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ホーレータイプリテーナー
表側のワイヤーと裏側のプラスチックのプレートで歯を固定するタイプの保定装置です。
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スプリングリテーナー
下の前歯に装着する装置で、歯並びの維持だけでなく、若干の後戻りであれば改善することができます。
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トゥースポジショナー(TP)
上下の歯を咬み合わせるタイプのリテーナーで、咬みこむことで歯並びを微調整することができます。
全て着脱式の保定装置ですので、ご自身で管理していただく必要があります。