偏位(左右のずれ)とは
偏位とは、上下の前歯の真ん中が合わずに、左右どちらかにずれている状態です。真ん中がずれてしまう原因は、歯のずれによる場合と、顎のずれや歪みによる場合が考えられます。そのずれが大きければ大きいほど、お顔の歪みに繋がることになります。
お顔のゆがみと咬み合わせのずれを改善
初診時、下あごが大きく右にずれてしまっている状態でした。骨格性の問題が大きかったため、外科手術を行うことで顎の変形を改善し、正しい咬み合わせをつくる治療を行いました。
外科手術で骨格を改善し、矯正治療で歯並びと咬み合わせを整える治療を行ったことで、顔貌の印象も大きく変化しました。
症例情報
主訴 | 下の歯が出ている、歯のガタつき、顎の歪み |
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診断名 | 顎変形症 |
年齢 | 15歳11ヶ月 |
治療に用いた 主な装置 |
セルフライゲーションブラケット装置(クリッピーC) |
抜歯部位 | 上下左右4番 |
治療期間 (通院回数) |
3年3ヶ月(通院回数 39回) |
治療費用 | おおよそ35万円+別途手術代25万~35万 (入院費は含まれておりません) ※保険適用のため、多少前後いたします。 |
リスク・ 副作用 |
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偏位の治療方法
偏位の治療は、原因によって異なります。原因には、歯の問題、骨格の問題、日常の悪習癖、歯の本数の不足などが考えられます。下記では、代表的な3つの治療方法を説明していきます。
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1.顎間ゴムを使用した治療
骨格性の問題がない場合には、矯正治療で歯のずれを改善していく治療を行います。「顎間ゴム」という小さな輪ゴムのようなものを上下の歯の矯正装置にご自身で装着していただくことで、左右のずれを治していきます。
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2.顎間ゴム+歯科矯正用アンカースクリューで治療
上記の治療方法に、歯科矯正用アンカースクリューの使用を加えることで治療を行っていきます。顎間ゴムのみの治療に比べて、自動的に歯を動かしていくことができます。
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3.外科手術を併用した矯正治療
骨格性の問題が大きい場合には、外科手術を併用した矯正治療を行うことで治療していきます。骨格の問題を外科手術で、歯並び・咬み合わせを矯正治療で改善していきます。
矯正治療のリスク・副作用
- 個人差がありますが、歯に痛みや違和感が出ることがあります。
- 唇や頬に矯正装置が擦れやすく、口内炎ができやすくなります。
- 矯正装置を付けると歯磨きが難しくなるため、虫歯や歯肉炎、歯周病にかかるリスクが高くなります。
- 矯正治療後、保定装置を装着していただけないと後戻りする可能性があります。
- 使用する矯正装置によっては、完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、
医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。