埋伏歯(歯が生えてこない)とは
歯が骨や歯茎の中に埋まっていて、自然に生えてこられない状態です。乳歯が抜けたあとも、永久歯がなかなか生えてこないことや、一般歯科で指摘されたことがきっかけとなり、受診される方が多くおられます。レントゲン撮影を行い、埋まっている歯の状態を確認した上で、治療を行っていきます。
糸切り歯が埋まっているケース
右上の糸切り歯は永久歯に生え変わっていますが、左上の糸切り歯は永久歯が歯茎に埋まってしまっている‘‘埋伏歯‘‘のため、乳歯のまま生え変わっていない状態です。このような場合、永久歯が自然に生えてくることは難しく、矯正治療で埋まっている歯を引っ張りだす治療が必要となります。このように、歯が歯茎に埋まってしまっていても、他の歯と同じように並べることが可能です。なかなか生えてこない永久歯がある方は、一度ご相談ください。
■ レントゲン画像で確認
症例情報
主訴 | 子供の永久歯を見て大きかったので |
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診断名 | 叢生 |
年齢 | 第一段階:6歳5ヶ月 第二段階:12歳7ヶ月 |
治療に用いた 主な装置 |
第一段階:拡大床 第二段階:セルフライゲーションブラケット装置(クリッピーC) |
抜歯部位 | 非抜歯 |
治療期間 (通院回数) |
第一段階:6年2ヶ月(通院回数 74回) 第二段階:3年7ヶ月(通院回数 43回) |
治療費用 | 第一段階:294,000円(当時の総額) 第二段階:598,500円(当時の総額) |
リスク・ 副作用 |
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埋伏歯になりやすい歯
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■糸切り歯(犬歯)
埋まっている歯が出やすいように、歯茎に処置を行い(歯科では「開窓(かいそう)」といいます)、埋まっている歯に矯正装置を付けて引っ張りだす治療を行います。
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■親知らず
歯が生えるスペースがないことが多く、埋伏歯になりやすい歯です。埋伏歯が前に倒れて生えている場合、前方に位置する他の歯を押してしまい歯並びに影響を与えてしまいます。特に、矯正治療後には後戻りの原因になるため、抜歯を行うケースがほとんどです。
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■過剰歯(歯が多い)
通常、永久歯は親知らずを含めると全部で32本あります。過剰歯は、歯の本数がそれ以上に多くなっている状態で、余分な歯のことをいいます。過剰歯が埋まっている向きに問題があり、他の歯に悪影響を与える場合には、抜歯する必要がありますが、問題がなければ、そのまま経過をみることもあります。
矯正治療のリスク・副作用
- 個人差がありますが、歯に痛みや違和感が出ることがあります。
- 唇や頬に矯正装置が擦れやすく、口内炎ができやすくなります。
- 矯正装置を付けると歯磨きが難しくなるため、虫歯や歯肉炎、歯周病にかかるリスクが高くなります。
- 矯正治療後、保定装置を装着していただけないと後戻りする可能性があります。
- 使用する矯正装置によっては、完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、
医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。