開咬(前歯が咬み合わない)とは
開咬は、奥歯で咬み合わせても、上下の前歯同士が咬み合わない状態です。食事などで使う歯が奥歯ばかりになることで、奥歯と顎の関節に大きな負担をかけてしまいます。そのため、顎関節症を招きやすい咬み合わせでもあります。
‘‘健康‘‘の秘訣は正しい咬み合わせ
初診時、糸切り歯から奥の歯しか咬み合わさっていない状態でした。患者様は、主に見た目を気にしておられましたが、それ以上に問題なのが、咬み合わせの状態です。この咬み合わせでは「しっかり噛む」「一生自分の歯で過ごす」ということができません。しっかり噛むことができないと、消化不良の原因となり、健康にも影響を与えてしまいます。矯正治療で、しっかり咬み合わせをつくることは、歯を長持ちさせ、体の健康を守ることにも繋がるのです。
症例情報
BEFORE
AFTER
主訴 | 歯並びがガタつきがある、笑った時の歯と歯茎の見え方 |
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診断名 | 叢生、開咬 |
年齢 | 31歳6ヶ月 |
治療に用いた 主な装置 |
セルフライゲーションブラケット装置(クリッピーC) |
抜歯部位 | 非抜歯 |
治療期間 (通院回数) |
1年6ヶ月(通院回数 18回) |
治療費用 | 892,500円(当時の総額) |
リスク・ 副作用 |
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開咬の原因ってどんなこと?
下記に心当たりのある方は要注意です。
- 子供の頃の指しゃぶり
- 舌の位置異常(舌癖)
- 鼻疾患
- アデノイド・扁桃腺肥大
- 舌小帯(舌の裏のひだ)が短い
■ 上は舌側矯正、下は表側の矯正で治療
開咬の方は、「舌癖(舌の位置異常)」を伴っていることが多くあります。舌が上下の歯の間に位置することで、上下の前歯が咬み合わないことになります。また反対に、舌は隙間があるところに入っていきやすい傾向にあるため、開咬は舌癖に繋がりやすい咬み合わせでもあります。矯正治療で正しい歯並びや咬み合わせになっても、舌癖が改善されていないと、治療前の咬み合わせの状態になる「後戻り」が起こりやすいため、MFTを行い舌癖を改善していただくことが重要です。
矯正治療のリスク・副作用
- 個人差がありますが、歯に痛みや違和感が出ることがあります。
- 唇や頬に矯正装置が擦れやすく、口内炎ができやすくなります。
- 矯正装置を付けると歯磨きが難しくなるため、虫歯や歯肉炎、歯周病にかかるリスクが高くなります。
- 矯正治療後、保定装置を装着していただけないと後戻りする可能性があります。
- 使用する矯正装置によっては、完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、
医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。